両親が上京して、我が家にやってきた。
両親がそろって我が家にやってくるのって
わたしが家を出て以来の初めてか2回目で、
数日前からすごく緊張して過ごしていたのだった。
ちいさいときからの整理しきれていない感情が
わさわさして憂鬱だったし、気が重かった。
朝、飛行機に乗った両親は最寄り駅に3時頃到着したので
夫と車で迎えに行き、
まずは予約していたホテルにチェックインしてもらう。
小規模のビジネスホテルで、ネットで一番いい部屋を選んでいたのに、
入ってみると写真で見たよりショボくて、わたし、ちょっとがっかりする。
重かっただろうに、
漬け物とか筍の煮物とか、いっぱいお土産を持ってきてくれて。
おじいちゃんおばあちゃんに会った子どもたちは大喜び。
両親とわたしと子どもたちで、小学校までお散歩する。
緑がいっぱいで雨上がりでぴかぴかで。
そのあと、夜ごはんを食べに行く。
寿司屋の前のコンビニで、おとうさんがどうしても買うと言いはって
子どもたちに、炭酸ジュースをいっぱい買ってやって
(わたしは子どもたちに炭酸ジュースを買わないの)
お寿司屋さんでは
子どもたちに3人前のお寿司の大皿を注文してもらって、
天も月もはぐはぐ、はぐはぐ、にこにこにこにこ大喜びで、
わたしはおとうさんといっしょに日本酒飲んで、
天や月のお誕生日祝いだってぜんぶごちそうになって、
食べ終わってお店を出ても、まだ、6時半だったので、
わたしと両親だけホテルで下ろしてもらって、
部屋でテレビ見ながらおとうさんとおかあさんの足とか肩とか
マッサージしてあげた。
わたしは、長女だから、
おとうさんおかあさんを独り占めして、
そんな風に過ごしたのって、たぶん、はじめてで、
たのしかった。
○
いつも忙しくて疲れてて傷つけ合ってたおとうさんとおかあさんに
傷ついて、家を出て、あの二人のようになりたくない、と思って
生きてきたのに、
おじいちゃんおばあちゃんになった二人は
ちょっと余裕があって、ちょっとつかれてて、
それなりにいたわり合ってて、うれしかった。
子どもたちがよく育ってるって、
いっぱい、褒めてくれた。
いつも甘え下手で、ごめん、と思った。
憂鬱に感じたりして、悪かった、と反省した。