忙しくてまとめることができなかったが、先週の親子心理講座では相手の領域に口を出すときのことを学んだ。
たとえば、目の前でだらだらだらだら過ごしていて、なかなか宿題をやらない子どもに一言言いたいとき。
「いつまでだらだらしているの!?」
「いったいいつになったら宿題やるの!?」
「帰ってきてからやったことはなに?
ゲームとテレビだけじゃない!!」
「どうしてあんたっていつもそうなの!!」
なんてなことを言っちゃうと、
いい結果になりっこない。双方気分が悪いよね。
そもそも、宿題をやるやらないは子どもの問題なのだ。
しかし、口出ししたいところを黙って我慢しているだけってのも骨が折れる。
プログラム通りに進んでいれば、この数週間のあいだは、子どもの適切な行動に注目して正しい注目を与え、子どもの不適切な行動には注目しないで過ごしていたはずだ。
よって築かれているはずの信頼関係のうえで、相手の領域に口を出すってところにきたのだった。そして、具体的な、その、言い方を勉強したはずだった。
けれども、ああ、口をついて出るのは、
ついつい命令形の
「いいかげんに宿題をしなさい!」だったり、
ついつい皮肉な
「あ〜、いつになったら宿題するんだろうねぇ」だったり
ついつい決めつけるような
「ほんとにいつもいつもそうなんだから!」だったりに
なりがちなものだから、
一週間前と同じ、相手の課題は相手に任せるところに戻りがちだった。
つまり、なにか言いかけては
「もう、ママはなんにも言わない!
自分で考えて自分でやって!」となってしまうことが多かった。
しかも、なにかと忙しく、正の注目を与えることもあまりできなかった。
そうして昨晩だ。
天と月がしつこい〜しつこい〜しつこい喧嘩をしているのに絶えかねて、「ママはちょっと頭を冷やしてくる!」と言って外に出て5分ほどうろうろして帰宅したときのこと。
夜間にもかかわらず、子どもたちが「ママを探しに行く!」と外に出そうになったときにちょうど、仲のいい方の妹から電話がかかってきたようで、子どもたちは家にいた。
妹に状況を訴えながら受話器を握りしめてた月も、その横で月に寄り添ってた天も、ダダダーとぼろぼろ涙をこぼし泣きしていた。
○
電話を切った後、慰め合いなだめ合うふたりを一人ずつ、抱っこした。
「ママ、ママ、僕たちはまだちっちゃいんだから、ほっとかないで。」
「どのくらいちっちゃいの?」
「このくらいだよ。」と握った天の手を両手で包む。
「わかってるよ。こころは放っておかないんだよ。どんなに大きくなっても、こころが困ったときには助けになるよ。だけどね、天と月は、これから大きくなるんだよ。
ママがいつまでもいつまでもあれやった?これやって!って指図するわけにもいかないんだよ。」
「ぼくたち、成長するからねえ。」
「成長するときにも、こころが困ったときには助けて、って言っていいんだよ。なにかやろうとしたことがうまくいかないよきも、助けて、って言っていいんだよ。
だけど、自分でやんなきゃいけないことは、自分で考えてやらなきゃいけないんだよ。」
って言った。
○
だけど、よく考えたら、一日中いろんなことやってるのは、子どもたちなんだよね。学校行って勉強して遊んで宿題して英語やってピアノやってゲームもやってテレビも見て。そんなにいそがしいんだから、ごろごろする時間も、必要なんだよねえ。
そのへんのバランスったら、そりゃあ、むずかしいものよ。