夫のテニス仲間のAさんが、趣味で野菜作りをやってらして、
テニスに出かけた夫がしばしば、たくさんの野菜をいただいてくる。
その日の朝に畑で採れたばかりのたくさんのお野菜たち。
まあまあたくさんの虫もついてくる。
A家のお子様方は、野菜をちっとも召し上がらないとのこと。
それはもしかしたらこの虫たちのせいなのかもなあ、と思いながら、
葉の一枚一枚を点検して傷んだところや虫たちを手で取り除いていく。
わたしは子どもの頃から「青虫になるぞ」と脅されるほどの野菜好き。
狭いベランダでいく鉢もの植物を育てているから、
外で育てる葉っぱには虫がつくことも知っている。
近頃では、スーパーに並んでいる<きれいな>野菜を見ると、
どんだけの薬品を使って育てているのかと考えてしまい、
とくに<きれいな>葉ものや、果物にはついつい手が出ない。
しかし、主婦生活のなかでは、
いわゆる都会の奥様たちのぼやきを聞くこともある。
「農家の人から野菜をもらうんだけど、虫がスゴいから全部捨てる。」
とか、
「わたしも家族も野菜を食べないからもらっても困る。」とか、
「生協の野菜は虫がいることもあるし、値段が高い。」だとか、果ては
「今の野菜には栄養が少ないから、サプリメントで十分とか。」
アホか〜、アホな〜、とか思うけど別に反論もしない。
そんなこんなを思いながら、
30センチのざるに山盛りの春菊の下ごしらえ完了。
たくさんのお湯を沸かして塩をじゃっと入れてさっと茹でて
水にさらして軽く絞って、切って、だし醤油でおひたしにした。
たっぷりのすりごまと小さくちぎった焼き海苔を上からまぶす。
「ママ、今日の夜ごはんなあに?」
「ホッケの焼いたのにだいこんおろしたっぷり。
それから、春菊のおひたしと、豆腐としいたけのお味噌汁。」
「うっわーーーい!!」と子ども達、春菊や大根おろしを奪い合い。