ときどき、煙草くさい子どもがいて、ぎょっとすることがある。天や月のちいさな友だちのことだから、もちろん、子ども本人が煙草を吸っているわけじゃない。同居の家族のどなたかが喫煙者であるために、子どもの髪や服に煙草の臭いがついているのだ。
自分が喫煙者だった頃には、こんなふうに煙草の臭いに気がつくことはなかったが、そりゃあ、ものすごく臭い。わたしはかつてどこでもあたりかまわず喫煙していたし、好きなだけ喫煙していた。非喫煙者の方々にはめっぽう膨大なご迷惑をかけていたわけだ。
なぜなら、煙草の有害な副流煙は約3000平方メートルにわたって、拡散するので、「他人に迷惑をかけない喫煙」は存在しないのだ。
つまり、たとえばあなたがベランダで煙草を吸うと、あなたの部屋にいる子どもだけでなく、隣や上の階の部屋の住人の尿からも、ニコチンが検出される。これを知ったとき、うう、ごめんよ。子ども達よ、非喫煙者の方々よ、と思いましたよ、あたしゃ。
煙草やめてよかった。天の喘息が起こらなくなったもん。鼻がよく利くようになったもん。実家の大人は全員喫煙者だったし、自分も15歳くらいから吸い続けてきたし、で、煙草をやめるなんて想像もつかないほどのニコチン依存だったが、やめると新鮮よ。
ちなみに依存症の判断基準(WHO国際疾病分類より)
1.○○したいという強い欲望、切迫感がある。
2.○○の開始、終了、あるいは○○の量をコントロールすることが困難である。
3.○○の禁止に伴い、離脱症状(禁断症状)が出現する。
4.耐性(量がだんだん増えていくこと)が認められる。
5.○○のため、それに変わる楽しみや興味を次第に無視するようになり、○○している時間が長くなる。
6.有害な結果が起こることが明白だろうという証拠があるにもかかわらず、依然として○○する。
一ヶ月以上にわたって、上記6項目中3項目を満たすと「依存症」。○○をいろいろな言葉に置き換えて考えてみましょう。ただし、依存症のひとは自分の状態を否認するから、いくら周囲がやめなさい、って言っても逆効果。本人が依存を自覚することが治癒のスタートになる。
ニコチンは、わたしの身体からもう抜けただろうし、身体依存は脱しているのだろう。有害な異物として感じる。けれど今でさえ映画などで、かっこよく煙草を吸っている映像など見ると、うあああ、吸いたいなああ、と思う。これは心理依存。けど、我慢する。一瞬一瞬の我慢が繋がって禁煙。
ちびっこに煙草を与えて火をつけたいと思う?子どもの前で喫煙しているのは、子どもに火のついた煙草をくわえさせるのよりもさらに有害だ。うう、煙草やめてよかった。