我が子には将来、どんな人間になって欲しいか、と親に希望を聞いたときに、「人に迷惑をかけない」がダントツのトップだという調査結果に、驚いた記憶がある。自分が中学生のときの新聞の記事で読んだのだと思う。
その当時からわたしには、「人に迷惑をかけない」っていう、多くの親たちの希望が、いったいぜんたい、どんな人物像を描いているのかがわからなかった。
自分が親になってからもやはり、わからない。
子供がみんなに迷惑をかけながら成長するのではいけないのか。
大人になったらひとに迷惑をかけてはいけないのだろうか。
ひとと関わるときには、多かれ少なかれ、迷惑はかかるのではないか。
まったく摩擦しない人間関係があるだろうか。
自分はできないから、かえってご迷惑ですから、と学校の役員や地域活動から逃げ回るひとは、迷惑かけていないといえるのか?
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なんてなことを考えたのは、昨晩のテレビ番組『カンブリア宮殿』の観衆が小学生のママ100人で、「我が子には、ひとに迷惑をかけない人になって欲しいか」という質問に、やはり過半数が「はい」と答えたからなのだった。
番組の内容とはまるで関係ないのだが、テレビ用におめかしした小学生のママが100人集まると圧巻だと思った。そう、同じように、初めて小学校のPTA会議室に入ったときにも、幼稚園生のママさんたちとは明らかに違う集まりにびっくりしたのだった。
ママ集団。中学生のママになると、また、違う雰囲気だ。子どもの年齢がおかあさんの生活の中心だからなのかな。
まあ、どっちにしろ、わたしの子どもたちがやがて親になったりする頃には、あたりまえの迷惑なら受容し合えるくらいの思いやりある社会であって欲しいと思う。