朝自習の時間の読みきかせ。
今日は、特別支援学級さん。
特別支援学級さんは、始業時間が遅いので、
子どもたちはいつも保護者といっしょに、
ばらばらとだんだんに登校してくる。
わたしがクラスに入ったときには
いちばん年上の女の子Aちゃんがひとりで教室にいた。
Aちゃんは辞書が好き。
大きな辞書の見出し語を読んでは、
「たしなむ、ってなに?」
「しぶやって、なに?」
「あらためるって、なに?」と
お話している。
何度か会ううちに、彼女が、
答えを求めてるんでないと思ったので、
あいづちをうつことにしている。
「しぶやってなに?」
「はらじゅくの近くだよ、行ったことある?」
「ないよ。」
「しぶやに行ったらね、学校中の全部の子どもを足して
100万倍にしたくらいのひとがいるよ。」
なんてなやりとりをしているうちに
「こごみってなに?」と聞かれたので、
ちょうど持ってっていた
『ぐるりんぱっ』を出してふたりで読んでみる。
「これ、こごみ?」
「そう、シダの仲間。
こごみ 、おいしいんだよ。」
「ふうん。」
「Aちゃんはいつも早く来てるから、
ふたりだけで先に、一冊読めたねえ。」
なんて話をして、また、辞書で遊んでいるうちに
おともだちも次々に到着。
数人揃ったところで、おべんとうばこの手遊びから。
いつものように、
ちいさいおべんと箱と大きいおべんと箱を作ってから、
本を読もうとすると、Aちゃんが、
「ぐるりんぱっがいい!」と言ってくれた。
気に入ってくれたんだなあ。うれしいなあ。
と思いながら『ぐるりんぱっ』を読む。
Aちゃんもときどき、声を出していっしょに読んでくれた。
次は、『そよそよとかぜがふいている』を
読み終わって、「お弁当が出てきたねえ」と言う。
「もうひとつ読んでいいですか?」
と確認してから
『んぐまーま』を読んで、今日はおしまい。
いちばん前に座っていた女の子が
手を差し出してくれたので、ふわっと、
握手をすると、「またね」と言ってくれた。
その様子を見て、男の子が、ふたり、
また、握手をして、「またね」と、
言ってくれて、お見送りもしてくれた。
みなさん、今日もどうも、ありがとうね。